2007年06月25日

NO MAN’S LAND

NO MAN’S LANDNO MAN’S LAND(ノー・マンズ・ランド)

出演
坂本昌行
内田滋
市川しんぺー
浅野温子



土曜日に行ってきました。
最初に映画化されたものの舞台化ということは知っていて、物語はなんとなく分かっていました。
映画を観てから、舞台を観ようかとも思ったのですが、あらすじを観たところ、戦争映画と分かり、その時点で気が沈んでしまって観る気が起こらず、当日を迎えました。

ちなみに・・・
あらすじを先にここで書きます。
Yahoo!映画の解説よりお借りします。
1993年6月。ボスニア紛争の最前線。霧で道に迷ったボスニア軍の兵士たち。いつの間にか敵陣に入り込み、気づいたときにはセルビア軍の攻撃が始まっていた。唯一の生存者チキは、なんとか塹壕にたどり着き身を隠す。そこは、ボスニアとセルビアの中間地帯“ノー・マンズ・ランド”。偵察に来たセルビア新兵ニノと老兵士はボスニア兵の死体の下に地雷を仕掛けて引き上げようとする。その瞬間、隠れていたチキが二人を撃ち、老兵士は死に、ニノは怪我を負う。チキとニノの睨み合いが続く中、死んだと思われていたボスニア兵が意識を取り戻し……。


そして感想も先にここで書きます。
追記には、キャストの感想を書こうと思います。

どうして今回、先に物語の感想を追記に書かずに先に書こうと思ったか。
内容がよかったからです。
よかったと言っても、ハッピーエンドではありません。
内容は書かないほうがいいのかもしれないけれど、すでに映画化、舞台も終わっているので、ネタバレ含みつつ書こうと思います。

まず、今回の舞台。
1回目が13時~、2回目が18時開演だったため、1回の公演が前半1時間半、休憩15分、後半1時間くらいで1回目が終わるのが、16時頃で2回目まで2時間、間が、あくと思っていたところ・・・
なんと1回の公演が2時間弱しかなかったんだよik_84
だから1回目の公演が3時前に終わり、そこから3時間、間が開くと劇場に行って知り、それで8500円は高いべ、なんて思っていたけれど2時間弱の公演で十分でした。
それ以上やったら、重苦しすぎて逆にしんどかったと思います。

戦争を扱う物語というのは重い雰囲気になるのは当然だと思います。
実際、パンフレットを読んでみると、内田滋さんは話が重くて5分で汗だくになると言っていました。
それは体力的なものだけでなく精神的なものも含めてだと思います。

そして物語の感想。
話の全部を書けばそれでいいのかもしれないけれど、かなり長くなるので私の感想だけ。
でも、私の感想と言っても当たり前のことしか言えないんだよね。
今の時代って便利なものはたくさんある。
こうして、ネットを使ってたくさんの人とふれあえる。
それって素晴らしいことだと思うし、楽しいことだと思う。
でもそのうらはらで、人間って残酷なものもたくさん作っているんだと改めて思いました。
戦争、ミサイル、地雷・・・
1対1でなら、仲良くなれるのに、国同士、民族同士になるとどうしてこんな、むごいこと、残酷なことができるのだろうかと思いました。
悲しい動物だなと思います。

1回目の公演を観たとき・・・
笑える場面もあるんです。
実際、笑い声もあがっていました。
でもね、最後の最後を観た瞬間、その笑った場面さえ、悲しくなりました。

そして2回目の公演を観たとき。
笑える場面も、泣けてきて、最後は号泣でした。
演じるほうは、笑える場面は笑ってほしいと思って演じているのは分かっているんだけど、その後のことを考えると泣けてきました。

この映画は、2002年アカデミー賞 外国語映画賞2001年カンヌ国際映画祭 脚本賞など他にもたくさんの賞を受賞しています。
それでも、私はこの作品自体、知らなかった。
今、これを読んで下さっている方も知らない方がほとんどだと思います。
世界ではたくさんの紛争地域があり、毎日当たり前のように沢山の人が死んでいる。
でもその事実は、日本人である私には、あまり伝わってこない。
今回の作品のような話は、ここ数年でもたくさんある話なのかもしれない。
実際にあった話なのか、こんな話もあるんだよという話なのかも分からない。
でもこういう話は形は違えどあったのだと思います。

どうして戦争をするのかなんて難しいことは私には言えないし、上手く書ける自信もないです。
ただ、戦争はいけない、やってはいけないんだということは改めて思い知りました。
その想いだけはいつまでも持っていたいと思いました。

そしてこの作品に出会わせてくれたことに心から感謝します。
そしてもう一度再演してほしいと思いました。
坂本ファンにあるまじき発言かもしれないけれど、ジャニーズの枠を越えてこの作品自体をたくさんの人に、特に日本人には観てほしいなと思いました。



・・・とこれでも十分、長いけれど、とりあえず作品の感想はここまでicon10
追記に、それぞれの役者さんの感想を書こうと思います。


まず、浅野温子さん。
個人的に最近の浅野さんは、舞台女優のイメージのほうが強いです。
テレビドラマも出ていますが、単発ものが多いかなと思います。
昔は、トレンディードラマの主役が多くて、W浅野なんて言葉もありましたが、浅野ゆう子さんとは違う方面で上手く活躍されているなと思っていたところだったので、今回初めて浅野さんの舞台を観ることができるというのは、楽しみでした。

でも出演時間が短かったんだよik_84
役柄的に仕方ないんだけど、多分30分も出演していなかったと思います。
後の3人は出ずっぱりだったんだけどねicon10

役柄的には、嫌味と思わないでほしいんだけど、アメリカ人の少し軽い感じが出ていてよかったと思います。
浅野さんって体が細いから、声とか後ろの席でも届くのかなとか思っていたんだけど、よく聞こえていました。



続いて、市川しんぺーさん
お名前は知っていました。
イメージ的に、有名な舞台俳優さんということだけの情報だったので顔も思い浮かばない状態だったんだけど、1時間45分の公演で1時間35分くらいは安定の悪いところで寝たままのお芝居は大変だったと思います。
なにせ、自分の体の下に地雷を仕掛けられ、動くと爆破してしまう。
だから最初に寝た体勢がその公演の体勢になってしまう。
これは一見、寝たままだから楽ik_19なんて思うかもしれないけれど、寝たまま声を出し、しかも安定が悪い。
ある意味、一番大変だったのではないかと思いました。

人のいい人が戦争にかり出される。
その人の持っている性格さえも戦争というものは無視してしまう。
今まで、人に恨まれることも恨むこともなかった人生が一気に変わってしまう。
その心情がとても伝わってきました。



お次は、内田滋さん。
えっとicon10全く知りませんでした。
でも新進気鋭の若手舞台俳優さんとのこと。
たくさんの舞台経験があるみたいです。

ファンの方に申し訳ないんだけど・・・
個人的に生で観て、塚本高史さんに似ているなと思いました。
でもネットの写真なんかでは全然似ていないんですよねicon10
そのときによるのかなicon10

役の感想は・・・
これは坂本さんファンには悪いんだけど、戦争によって普通の人間が凶器に満ちた性格になる。
行動に出るという緊迫した表情、心情はこの人が一番うまかったように思いました。
顔の表情なんか、戦争はここまで人を変えてしまうんだと思うと悲しくてたまりませんでした。
人間って、ちょっとしたことでここまで変わってしまうんだと思いました。
戦争がちょっとしたことなんて思わないけれど、戦争なんて意味がないって思っているのに実際、戦場に行くと、仲間が殺され、自分も死に直面する。
そうなれば、誰だって変わってしまうんだろうなと思い悲しかったです。



そして最後は、坂本さんik_40
久しぶりの舞台。
個人的には、ミュージカルのほうが好きだから、観るのがだるくなるかなと思ったけれど、全然そんなことなかったです。

やっぱり坂本さんは、こういっちゃ悪いけれど舞台で映える人なのかなと思います。
ちょっとオーバーリアクションな演技も舞台なら全然OKだし、やっぱり芸能界だとテレビや映画が華やかで舞台って影のイメージがあるんだけど、私は舞台で映える坂本さんが、やっぱり好きだと思いました。

そしてこの作品自体を、坂本さんが見つけたとは思わないけれど、多分、事務所側が見つけて、坂本さんに打診するのか、次はこれをしろとなるのか分からないけれど、作品に恵まれているなと思いました。
でも作品に恵まれているだけでなく、坂本さん自体が、演じきっているのも事実ですよ。
まあファンの欲目で観ているので、信用ないと思いますが、作品自体が本当に素晴らしかったから、今までで一番、いろいろな人に観てほしいと思える作品でした。
そして、再演希望ですik_20ik_20
今度は、千秋楽とか文句は言わないので母親には必ずみせたいです。
観てくれるなら妹にもみせたいです。

最後に、カーテンコールで各公演キャストが3回登場するのですが3回とも坂本さんは『ありがとうございました』と声に出して深々と礼をしていました。
2回目に観たときは、席が後ろだったので声は拍手が大きくて、届かなかったけれど1回目は1列目で本当に心から、『ありがとうございました』と言っていてそれも嬉しかったです。



これで感想は終わりです。
長々とお付き合いいただきまして、ありがとうございました。


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Posted by ミーハー女 at 15:56│Comments(0)イベントレポ
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