2010年10月24日

2010 43本目

2010 43本目
2010年43本目
悪人
出演
妻夫木聡
深津絵里
岡田将生
満島ひかり
塩見三省
池内万作
光石研
余貴美子
井川比佐志
松尾スズキ
山田キヌヲ
韓英恵
中村絢香
宮崎美子
永山絢斗
樹木希林
柄本明       ほか



画像は、Yahoo!映画様よりお借りいたしましたm(__)m


観ようかどうか迷ったのですが、深津さんの賞受賞をきっかけに観てみようかなと思い鑑賞。







感想


いいとか悪いとかで片付けられる作品ではないなと思いました。


とにかく考えさせられる作品。


でも考えたところで何が良くて何が悪いのかなんて答えを出せない難しい作品だと思います。


この作品自体は、こういう結末を迎えたのだから、それがこの作品の答えなんだという目線で見ると私は自然と受け入れることができました。


殺人を犯した人間に同情なんてしてはいけない。


当たり前のことだと思います。


どんな人間だろうが殺していい訳がない。


そんな権限を持ってはいないのだから。


ってどこにでもありそうな考えですみません。


どんなに腐りきった人間でも、こんな奴殺されても仕方がないと刑事ドラマでありがちな人間だったとしても殺してしまったら、その人は悪人なんだと思います。


でも今回、悪人となってしまった妻夫木君演じる清水のことはどうしても憎みきれなかった。


逆に半悪人である岡田将生君演じる増尾のほうが憎たらしくて仕方がなかった。


でも殺された女性の父親の気持ちも痛いほど分かる。


どの役者さんもその人間性をうまく演じて心情をうまく表現されていて、息苦しかったです。


ジュリア・ロバーツの映画を観た後で同日に観たのですが、眠くて仕方がなくて、寝てしまったらどうしようと思っていたのが、嘘のように眼がさえてあっという間でした。


最後の終わり方も原作未読なので映画のみの感想になりますが、変にありがちに光代が清水の子供を妊娠していて、彼を待っているとかそういう終わり方ではなく、光代は清水を待っているのだと思う・・・というような終わり方や、彼は悪人なんですよねとタクシー運転手に問いかけるシーンなど静かに終わっていったのがよかったです。


うまいこと解決できる話ではないのだという現実感があって、それが現代のあり方でもあるのかなと思いました。


主演の妻夫木君は、少し話がズレて申し訳ないけど金髪じゃないほうがよかったな~というのが個人的な感想。


演技のほうは、凄くうまかった。追い詰められた表情、悲しげな表情、狂気に満ちた表情。


どれもこれも役が乗り移っているかのようで、普通に話しているイメージとは全く違って、いい役者さんになったなーこれからが楽しみな役者さんだなと思いました。


深津さんは、正直ファンの方には申し訳ないけど、あまり好きな女優さんではないのですが、やっぱりウマイ女優さんだなとは思いました。


そしてお二人とも方言がお上手だなと思いました。


妻夫木さんは小学生時代まで福岡県に住んでいて、深津さんも大分県出身ということもあるかもしれませんが違和感なく聞けました。


まあ私は関西人なので九州の方から見たら違うのかもしれないけれど、私はウマイなと思いました。


そしてやっぱり柄本明さんと樹木希林さんの存在感は本当に大きいですね。


柄本明さんが『あんた、大切な人、おるかね…』と言うシーンなんかは、自分は親になったことはないけれど、大切な人を思う気持ちってそういうもんだよと胸がいっぱいになりました。


樹木さんも表情や顔の動き体の動き一つ一つが大事に演技しているのが伝わってきて、この人がこれ以上苦しまない方法ってないのかなと思いました。


そして岡田君、彼本当にいいですね。


重力ピエロの時よりも更によくなっていました。


あんな憎たらしい役もできるのだなと本当に楽しみな俳優さんです。


そして思わぬところでよかったのが、満島ひかりさんでしょうか。


あれ・・・この子どこかで観たことがあるとモヤモヤしていたのですが、途中で木村拓哉さん主演のドラマで篠原涼子さんのアシスタント役をしていた子だと思い出しました。


その時は、元気な少し小憎たらしい女性役だったのに、今回は、あーこういう子いるよねと呆れてしまう感じの女性がはまっていましたね。


この方の本当の性格ってどんな感じなんだろうと訳が分からなくなってしまうくらい上手でした。


岡田君と同じくらい、なんだこの女って思ってしまうような子でよかったです。


絵的に地味で暗くて淡々と進んでいく作品なのに飽きずに最後まで見れたのは、静かながらも引き込まれる展開と役者さん達の演技力の賜物だと思います。


まさに良質な作品でした。


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Posted by ミーハー女 at 15:00│Comments(4)映画
この記事へのコメント
ミーさんの感想、読み応えあります。
この監督さんの前作のフラガールを何の予備知識もなく見てめちゃめちゃよかったし、監督さんの顔が好みなので(なんと不純な動機)悪人を見ました。見てよかったですが、重いので、もう一度見ようとかDVD買ってみようとかいうのではないです。でも見てよかったし、次回の作品も楽しみです。
妻夫木さんはミーさんのおっしゃるとおり黒髪のほうが断然いいですが、役柄への共感を避けるために金髪にしたような気がしました。殺人さえ日常化している妻夫木さんの役柄は、なんか現実味があって、ぞっとしましたが、もちろん岡田さんの役よりずっと愛すべき人でした。岡田さんの演じた役もめちゃいそうだし、彼らは紙一重と思えましてほんまに考えさせられる映画でした。ヨーロッパの人が好きそうな映画なので賞をとれたんかなと思いました(ていう私ヨーロッパの人じゃあねえし。えらそですんません)ほにゃまたです
Posted by ぶるる at 2010年10月25日 07:38
★ぶるるさんへ

こちらにもありがとうございます♪
読み応えがあるかは微妙ですが、やはりいい作品は感想も長くなります(苦笑)
あー確かにあの監督さんの選ぶ題材ってインパクトのあるものが多いですね。
でも『告白』の監督さんもそうなんですが、オリジナル作品でも観てみたいんですけどね。
やはり、原作がしっかりとしていると、よっぽどでない限り映画がコケることはないと思うんですよね。
『悪人』は、もしも観るものがなくて、母親がテレビで観ていたら一緒に観そうです。
2回目観る時は、結果が分かっているから余計に心して観ないとって思うんですよね。

あー妻夫木さんの金髪にはそういう意味があったのか!!
勉強になります。
岡田君は『黄金の豚』でまたかわいらしい感じの役をしています。
幅広くいろいろな役をこなしていくのはいいことだなーと思います。
ヨーロッパの方の好きそうな作品なのですね。
なるほど・・・。
でもこの作品、日本アカデミーでも十分ノミネートされそうですよ。
主演で妻夫木さん、深津さん、助演で柄本さん、樹木さん、新人賞で満島さんあたりかなと・・・。
岡田君は去年新人賞を受賞したので、厳しいかなというイメージです。
でも個人的には、主演女優は告白の松さんなんですけどね。
だけど去年、松さんはヴィヨン~で最優秀主演とったので2年連続って難しそうと、勝手にいろいろ思っています。
まあ私が考えても仕方がないのでこのへんで終わっておきます( ̄▽ ̄;)
Posted by ぶるるさんへ at 2010年10月25日 15:03
ミーさん
読み応えありますです
そっか
次回の日本アカデミー賞も楽しみですよね
そういえば告白は今年でしたね。めちゃめちゃインパクトのある映画だったのに忘れている自分がこわいです。
私も黄金の豚見てます。ミーさんが見ているということで、なんかうれしいです
ほにゃまたです
Posted by ぶるる at 2010年10月25日 15:24
★ぶるるさんへ

こんにちは~。
まあ日本アカデミーもアカデミーもはっ?と思うような作品が選ばれることも多々あるので、軽い気持ちで観ていますが、今年は激戦のような気がします。
黄金の豚好きです。
岡田君はかわいいし、桐谷さんはいい味だしていてかっこいいし、大泉さんも切ない役が面白かっこよくて3人共全然違うタイプで好きです。
もちろん篠原涼子さんも大好きなので、かかさず観ようと思っています。
Posted by ぶるるさんへ at 2010年10月26日 13:33
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